4. 3Dソフトを用いた手法

4-1 | 正確な3Dデータのつくり方

EMARFでデータを入稿すると、3Dで作成したデータ通りに加工されます。なので、間違ったデータを作るとそのまま間違った加工になるので、正確なデータを作ることが大事です。ここではいくつかの気を付けるポイントをご説明します。

POINT① モデル単位が『ミリメートル』になっているかチェック!

EMARFではミリメートルでサイズを決定しています。寸法のモデル単位が異なると、EMARFに送信できないので注意が必要です。

POINT② 閉じたデータを作ることを意識しよう!

一見閉じている線やポリサーフェスでも開いている場合があります。EMARFは閉じたデータでないと送信できません。しっかりとデータ確認の上、 開いていた場合は『showEnds』を用いて開いた端点を確認して閉じましょう

POINT③ 同一平面上のデータを作ろう!

3Dビューで線を引くと、同一平面でない線データができる場合があります。『投影』ボタンをクリックすると、同一平面上に線を描くことができます。
POINT④ 接合部生成した後は、オブジェクトデータをきれいにしよう!
基本的には押し出しが有効です。mergeallfaceもしくはfacemergeをしておくことをお勧めします。

POINT⑤ BlockインスタンスはEMARFで送信できないので注意!

Rhinocerosではブロックインスタンスという機能が使えますが、EMARFにて送信することができません。

4-2 | プラグインで接合部をつくる

Mac版はこちら
テキスト版(以下)も合わせてごらんください 

接合部生成

EMARFで対応している接合部について説明しています。
  • ほぞ組み
  • あられ組み
  • 相い欠き
※現状、プラグインでの接合部生成をサポートしているのはRhinoceros版のみとなります。
※オフセット値について 適切なオフセット値は、接合部により異なります。 板同士の接触面積が大きいほど、オフセット値を大きくすることを推奨しています。 接触面積は、ほぞ組み<あられ組み<相い欠きの順で大きくなる傾向です。 (オフセットについての詳細は、4-3-4オフセットとフィレット参照して下さい)

相い欠き

Rhinocerosコマンド: emJointAigaki
交差している部材を切り欠きます。
※注意点
  • 2つの部材は直交して交差している必要があります。
  • 部材は板材を選択して下さい。
  • 部材同士は、奥行き方向で6mm以上重なっている必要があります。
部材は必ず直交するようにしてください。斜めにして加工することはできません。詳しくは加工の制限>>できない加工についてまたはこちらの動画をご覧ください。
オフセットの値を入力します。嵌合部はピッタリの寸法では嵌りません。かならずクリアランスを0.3~0.8mm取ってください。

あられ組み

Rhinocerosコマンド: emJointArare
部材同士が接する面に、ほぞを最大数生成します。 ※ほぞの幅の最小値は、オス板(ほぞができる板)の厚みです。 ※あられ組みを生成するには、オス板とメス板が接する幅がオス板の厚みの3倍以上必要です。
※注意点
  • 2つの部材は、面が接している状態でモデリングして下さい。重なっている、または離れている場合はエラーとなります。
  • 部材同士は直行している必要があります。
  • 部材は板材を選択して下さい。
  • 部材は、オス板(ほぞができる板)、メス板(ほぞ穴ができる板)の順で選択して下さい。
閉じたポリサーフェスのオスの部材とメスの部材を面がぴったり合うように準備して、選択します。
オフセットの値を入力します。

ほぞ組み

Rhinocerosコマンド: emJointHozo
部材同士が接する面に、指定した数のほぞを生成します。 接する面が複数ある場合は、各面ごとにほぞの数を指定します。 ※ほぞの幅の最小値は、オス板(ほぞができる板)の厚みとしています。 ※ほぞ組みを生成するためには、オス板とメス板が接する幅が、ホゾの幅の最小値の3倍以上(オス板の厚みの3倍以上)必要です。
※注意点
  • 2つの部材は、面が接している状態でモデリングして下さい。重なっている、または離れている場合はエラーとなります。
  • 部材同士は直行している必要があります。
  • 部材は板材を選択して下さい。
  • ほぞの長さは正の値かつ部材の厚さより小さい必要があります。
  • 部材は、オス板(ほぞができる板)、メス板(ほぞ穴ができる板)の順で選択して下さい。
T字などに配置した雄、雌の閉じたポリサーフェスを準備します。
部材のオフセットを入力します
また、ほぞの本数を変更することもできます。

4-3 | 板で作れることを確認する

 平面展開

  • emAlign:部材をXY平面に展開します。このコマンドは部材が合板にどの程度の枚数に収まるのかを大まかに見積もったり、のちに使用するemCAM2D,またはemCA3Dコマンドを使ってブラウザにデータを送信するために使います。
※データを送信後にEMARFウェブサイトにて、自動的に安全な切削がなされるような部材配置となりますので、Rhinoceros上で敷き詰め直す作業はしなくてよいです。

4-4 | フィレットとオフセット 

 内側の角がまるくなる

例えば絵画を飾るために額縁をEMARFで切り出すとしましょう。
絵画をはめ込むためにこのような四角形のデータを作ったとします。
するとデータは角が直角でも、実際に切り出すと通常はこのように角が丸くなってしまいます。
絵画の角がもとから丸くなっているものならばうまくはまるはずですが、これでは角がぶつかってはまりません。加工の種類でいくつかご紹介しましたが切り出す線は内側の角が基本的にはまるくなり (Rがつくといい)ます。
機械では刃物の軌道を上から見ると回転しているため、どうしてもそうなってしまうという特徴だということは念頭においてください。
とはいえ、例えば木組みなどで部材を直角に組み合わせたい場合があるとします。同様にRのついた部分が互いにぶつかってしまうので、一番奥まではまりきらないような事態がおこってしまいます。

その時にあると便利なのがフィレットです。

 直角を出したいときにフィレットを使う

フィレットを使い刃物を奥までわざと少し切り込むことで、直角がぴったりかみ合うようにつくることができます。切り出すときの材料の厚みによって刃物の直径は違うので注意してください。フィレットの代表的な形状は「T ボーンフィレット」や「ドックボーンフィレット」です。
フィレットを見えないよう隠して使いたい場合、板の差し込む方向に沿うようにフィレットをかけると、くみ上げた際にフィレットの穴を隠すことができます。
フィレット形状の種類を選択し、自動で内角部分にフィレットを適用させることができます。(一部のソフトを除き、図面で作図する必要はありません)

 フィレットコマンド

コマンドラインにそれぞれ以下のコマンドを使うと、選択した部材全体へ一気にフィレットを適用することができます。入力するとフィレットのタイプを選択できるので、以下のイメージに当てはまるフィレットのタイプを入力して使用してください。なお、一部分だけフィレットのかけ方を変えたい場合は、ご自身でモデリングしていただく必要があります。
  • emfillet2D:XY平面に平らになるよう配置されたサーフェスにフィレットを適用します。
  • emfillet3D:XY平面に平らになるよう配置された閉じたポリサーフェスにフィレットを適用します。
※動作はこちら
フィレットの種類と入力数値

ただし、切り欠きが細い場合にフィレットをつけると、フィレット同士の間が近くなりすぎてしまい、想定より切れ込みが長くなってしまうことがあります。バリ取りの研磨をするとさらに間の部分が減りやすくなるため、3mm以上の切り残しをお勧めします。
以下はあいがきを同じ厚みの部材で使用し、フィレットをかけた想定です。
厚さ12mm H型
全く残らないので嵌合部が緩くなってしまいます
12mmドッグボーン型
3mm程度残りますが、やすり掛けで削られてしまいます
30mmH型(フィレット形状の右から2番目)
使えないことはないですが、かみ合う面積が少ないので弱くなります
可能であれば、このように逃げ道をつくることをお勧めします
18mmH型

 ピッタリの寸法では嵌らない(オフセットを使う)

これまで紹介したフィレットをつければ、部材がきちんとかみ合うかというと、それだけでは足りません。
木材同士の接合では、板厚の誤差や摩擦が生じるため、寸法の遊びを考える必要があります。そのため、加工図面では接合部分(ホゾなど)の寸法を設計図面より大きくとる必要があります。この遊びをオフセットと呼びます。
オフセットは大きすぎず、小さすぎずの数値にする必要があります。大きすぎるとゆるくなってしまい、小さすぎると嵌め合わせることが出来なくなってしまうためです。そのため、きつすぎず、ゆるすぎない最適なオフセット値を設定する必要があります。
標準的なオフセット値は0.1~0.5mmになりますが、施工条件や加工する材種など与条件により最適な値は変わります。最適なオフセット値についてはご相談ください。 なお、モデリングソフトで事前に処理しておく必要があります。オフセットをかけていないと絶対に嵌りません。Rhinocerosのプラグインではオフセットに関するコマンドも用意してあります。

 オフセットコマンド

  • emFingerJointOffset2D
  • emFingerJointOffset3D

4-5 | プラグインでEMARF(Web)にデータ送信する

送信する前に最後にチェックしましょう
最終確認

【輪郭加工の場合】

☑切り抜きかポケットかの違いは間違っていないか ☑間違って閉じていない線がないか

【かみ合わせがある場合】

☑フィレットは適切なところについているか
☑オフセットは雄か雌どちらかに設定されているか
☑オフセットは厚み方向に対してもかけられているか

CAM

サーフェスやポリサーフェスを板に割り付けし、EMARFサイトに送信して加工コードを生成します。
  • emarf:部材をEMARFサイトに送る 「溝のための曲線を選択してください。 」溝彫りがある場合は、溝になる中心線を選択します。溝の太さは使用するエンドミルの直径になります。 「穴のためのポイントを選択してください。」穴あけがある場合は、穴をあける中心点を選択します。穴の直径はエンドミルの直径になります。 メニュー画面が立ち上がります。
  • emCAM2D:emalign などで平面展開された2D形状(サーフェス)をEMARFサイトに送る
  • emCAM3D:emalign などで平面展開された3D形状(ポリサーフェス)をEMARFサイトに送る
emCAM2D, emCAM3Dでデータを送るとき、部材はXY平面に平面展開されている必要があります。
ポケットのある部材はプラグインの内部処理で判別しています。EMARFに送り加工データを生成したとき、プレビュー画面では可視化の都合上、実際のポケット深さと若干異なるように見える場合があります。

4-6 | サンプルファイルを見てみよう

210406_EMARFWS_資料用仮.3dm
10MB
Binary
Rhinnocerosサンプルファイル
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最終更新 4mo ago