2. 加工条件を知る

2-1 | EMARFでできる加工

EMARFで扱う機械であるShopBotには本来できることがいくつもありますが、EMARFで使われるのは以下の3種類です。
  • 輪郭(切り抜き)加工
  • ポケット(掘り込み)加工
  • 溝彫り加工

各ソフトの対応状況

〇:対応/△:開発中/×:対応未定
CAD対応
輪郭 
ポケット
溝彫り
3D 
両面 
Rhinoceros
×
Fusion360
×
×
×
illustrator
×
×
AutoCAD・VectorWorks
×
×
×
×
DXF Upload
〇(※)
×
×
なお、ShopBotで本来できることについてはこちらで紹介しておりますのでよければご覧ください。EMARFの機能以外による(×となっている)加工は特注で請け負うことになりますので、こちらまでご連絡ください。
※一部機能に制限あり

輪郭(切り抜き)加工:〇

輪郭加工は部材を閉じた線によって外側を切り出す加工のことです。閉じた線というのはソフトの操作上間違えやすいので、モデリングの際は得に気を付けてください。
なお、後述するように部材に穴を開けたい場合は刃物の直径よりやや大きめにする必要があり、材料が24mm以下の厚み(刃物直径が6.35mm)の場合は穴の直径が最低7.5mm(シナ合板のみ8.5mm)、材厚が30mm以上の厚み(刃物の直径が12.7mm)の場合は穴の直径が最低15mm必要となります。

ポケット(掘り込み)加工:〇 

閉じた線を使って、ある範囲に削る深さを指定し削り取ります(掘り込み加工ともいう)
※ポケット加工の中に島のように切り残さず残したい部分がある場合は、現在3Dモデルから送信するソフトの他に、Illustratorで可能です。(図のAの文字を切り出したいとした場合におけるAの文字内部の三角形の部分を指します。)

溝彫り加工:〇

線の上をなぞるように使う歯刃物の太さで掘りこみ加工します。刃物の太さは扱う材料の厚みによって自動で決まるので、気を付けてください。
使える方法はRhinocerosやIllustratorでは空いている1本の線を使ってできます。DXFアップロードでもできるのですが、掘り込みの線幅を自分で作る必要があります。

穴あけ加工:〇

使う刃物(=板厚)によって最小の穴のサイズが決まります。
刃物の直径が6.35mm(=板厚24mm以下)の場合:直径7.5mm以上の穴あけが可能(※シナ合板のみ8.5mm)
刃物の直径が12.7mm(=板厚30mm以上)の場合:直径15mm以上の穴あけが可能

3D加工:✖(今後開発予定)

曲面などの3D形状を再現して加工します。
※システム上対応していませんが、加工可能な場合もありますので、一度問合せよりご連絡ください
​‌

両面加工:✖

表面・裏面の両面から加工を行います。
※システム上対応していませんが、加工可能な場合もありますので、一度問合せよりご連絡ください

2-2 | 加工可能な範囲

扱う刃物(エンドミル)

高速で回転させながら移動することで部材を加工します。穴を開けたい場合は、刃物の直径より少し大きな穴であれば加工することができます。 また刃物の直径に合わせてフィレットの大きさが変わります。(フィレットについて
切り抜きの際には、刃物の直径分の通り道ができます。
現在、EMARFで対応している刃物の直径は以下になります。 板の厚みによって自動で決まるため、指定することはできません。
刃物の直径
対応厚さ
6.35mm (1/4インチ)
12, 15, 18, 21, 24mm
12.7mm(1/2インチ)
30, 36mm

板の大きさ

36番(サブロクバン)と48番(シハチバン)の2種類があります。日本の尺貫法という「尺」が単位だったころ、1尺という単位で約303mmだったことから、3尺×6尺でサブロク版といわれています。一方は910 mm か1820 mm の大きさでもう一方は4尺かける8尺なので約1230mm × 2430mmです 。最後に発注する際このサイズを意識してうまく収められると効率が良いです。
板サイズは上記の通りになりますが、最大で 1820mm x 910mm のモデルを切削できるわけではありません。板材をShopbotにビスで固定するための余白を考慮すると、実際に切削できるモデルの最大サイズは 1820mm x 910mm よりも小さくなります。詳しくは板材の縁の余白とモデル間の余白による制限

端材の出ない加工

極端に歩留まりの良い加工はできません。材料を機械に固定する関係で、固定シロが必要なため、端材が全くない加工はできません。 部材間に十分な距離をとる必要があります。とりつける様子はこちらでも紹介していますリンク
例えば、36板を指定したとしたら、最大で材料のサイズとほぼ変わらない大きさで切り出すのは不可能で、板厚が24mm以下のとき切削可能な一つのモデルの平面サイズは最大約1757 × 847mmとなります。 板厚が30mm以上の場合は一つのモデルが約1744 × 834mmより小さいものしか切削できません。
複数部材を切る場合は EMARFでは、部材を自動で配置しくれます。もし、自動で割付の収まりが悪い場合は、制限を考慮した範囲で手動配置することもできます。リンク

板材の縁の余白とモデル間の余白による制限

EMARFでは板材四辺の縁の余白を12mmに設定しています。
また、モデル間の余白は 20 + ミルサイズ x 2 という計算式によって求めています。ここで数値の単位はミリです。
板材の縁の余白とモデル間の余白を考慮するとEMARFで切削可能なモデルの最大サイズは次のような計算によって得られます。
幅: 1820 - (12 * 2 + 20 + ミルサイズ * 2) 奥行き: 910 - (12 * 2 + 20 + ミルサイズ * 2)
ミルサイズは板厚によって異なります。板厚が24mm以下のときミルサイズは6.35mmになり、板厚が30mm以上のときミルサイズは12.7mmになります。
よって、板厚が24mm以下のとき切削可能な一つのモデルの平面サイズは最大約1763 × 853mmとなります。 板厚が30mm以上の場合は一つのモデルが約1750 × 840mmに収まるように設計する必要があります。
部材の最小サイズについては現在制限は設けられていません。
EMARFウェブサイトへ送信後、モデルのバウンディングボックスの長手方向が板材の長手方向と並行になるようにモデルが回転されます。そのため、EMARFウェブサイトへデータを送信する前に部材を最も長い幅(または高さ)となるようにあらかじめ回転をさせる、などして部材のサイズ内におさまるか確認していただく必要があります。
例:Illustratorの場合
斜めに配置していると一見材料に収まっているように見えますが、長手方向に沿うように回転させると、以下の場合は長さが1757 mmに収まっていないため送信できません。

出来ない加工について

  • 穴あけ加工:エンドミルを垂直に下ろして加工する場合焦げが発生してしまうため、6.35mmの場合は7.5mm未満(シナ合板のみ8.5mm未満)、12.7mmの場合は直径15mm未満の直径の穴は加工することはできません。
斜め加工:EMARFでは板に対して、垂直方向に傾斜をつけてカットすることはできません。
EMARFとは別に特注で請け負うことはできますのでその場合はオンライン説明会・相談会をぜひ予約してください。
加工の制限については以上です。

2-3 | 加工可能な材料について

材料の品質と精度について

・材料によっては、±0.5mm程度厚さに誤差がある場合がありますのであらかじめご了承ください。
・合板のポケット加工の場合、積層の位置によって設計より1-2mm深くなる場合があります。
・湿気による木材の膨れ、反りが生じる可能性があります。
・乾燥による収縮、反りが起きることがあります。
・木材には個体差があり、データのレイアウトや形状によって節、われ、ヒビが表面に出る可能性があります。
・同じ材種でも、加工拠点によって色味・節などの個体差がある場合があります。
・配送中の扱い方によっては、表面に軽微な傷がつく可能性があります。

板サイズ・板厚・材種について

材料については動画でも紹介しています。こちらもご覧ください。金額は材料の需給状況によって変動する場合があります。また、表示している金額はすべて税別です。
発注の際は一度に同じ厚みのものしか送信できないので、どうしても別の厚みにしたい場合は2回に分け、別のデータとして発注いただく必要があります。
※記載のない材料であっても調達可能な場合もあるため、気軽にご相談ください。

【36板(1820mm*910mmサイズ)】※右にスクロールできます

材種/板厚
12mm
15mm
18mm
21mm
24mm
30mm
36mm
ラーチ合板
1,900円
3,000円
4,400円
3,600円
ヒノキ合板
3,300円
4,200円
シナ合板
5,630円
6,880円
8,130円
10,000円
11,250円
15,000円
シナ共芯合板
10,000円
16,250円
22,500円
28,750円
ラワン合板
(ラワン芯)
3,130円
4,130円
5,750円
6,250円
7,250円
13,250円
ラワン合板
(ファルカタ芯)
2,500円
3,250円
4,250円
5,000円
6,000円
無垢ボード(スギ)
7,500円
無垢ボード(ヒノキ)
7,000円
ラジアタパイン集成材
8,000円
12,500円
杉CLT(片面化粧)
14,000円
14,000円
MDF
3,750円
5,000円
8,750円
10,000円

【48板(2440mm*1440mmサイズ)】※右にスクロールできます

材種/板厚
12mm
15mm
18mm
21mm
24mm
30mm
36mm
ラワン合板
(ラワン芯)
12,500円
15,000円
17,500円
20,000円
23,750円
35,000円
ラワン合板
(ファルカタ芯)
4,500円
5,500円
7,500円
8,750円
10,500円
シナ合板
11,250円
13,750円
16,250円
17,500円
20,000円
25,000円
シナ共芯合板
20,000円
30,000円
40,000円

各材種の特徴について

ラーチ合板
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)
色味: やや黄色い
表面の質感:ややざらつきがある・節がある
メリット:比較的安価である・加工しやすい・構造的強度がある
設計時の注意点:
節部分が欠ける可能性がある
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ヒノキ合板
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)
色味:やや白い
表面の質感:ややざらつきがある・節がある
メリット:比較的安価である・柔らかく加工しやすい
設計時の注意点:
①節部分が欠ける可能性がある
②節が多いことがある(参考画像1)
参考画像:
参考画像1
-------------------------------------------------------------
シナ合板
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)
色味:白い
表面の質感:さらっとしている・節がなく均一
メリット:表面が綺麗・塗装しやすい
設計時の注意点:
①繊細な形状は欠けや剥がれがやや出やすい。特に90度角や鋭角部分で起こりやすく、尖った部分にはr3.5以上の丸みをつけることを推奨する(参考画像2)
②塗装などをしないと表面が柔らかく傷が目立ちやすい。水に濡れただけでシミになりやすいので塗装を推奨する。
③小口の積層数が板によってばらつきがあるため、気になる場合は小口テープで対処する方法もある。
参考画像:
参考画像2
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シナ共芯合板
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)※通常のシナ合板と違い、中間の積層部分にもシナを使用しているものをシナ共芯合板と呼ぶ。
色味:白い
表面の質感:さらっとしている・節がなく均一
メリット:表面が綺麗・塗装しやすい 小口が均一で、美しい
設計時の注意点:
①繊細な形状は欠けや剥がれがやや出やすい。特に90度角や鋭角部分で起こりやすく、尖った部分にはr3.5以上の丸みをつけることを推奨する(参考画像2)
②塗装などをしないと表面が柔らかく傷が目立ちやすい。水に濡れただけでシミになりやすいので塗装を推奨する。
③小口の積層数が板によってばらつきがあるため、気になる場合は小口テープで対処する方法もある。
参考画像:
参考画像2
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ラワン合板(ラワン芯)
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)
色味:赤っぽい・白っぽい
表面の質感:さらっとしている・節がなく均一
メリット:表面が綺麗・塗装しやすい・耐水性が高い
設計時の注意点:
①繊細な形状は欠けや剥がれがやや出やすい。
②赤みが強いものや黄色みが強いものなど、製造時のロットが違うと色のばらつきがおおきい(通常ロットは極力そろえた形で加工します)
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ラワン合板(ファルカタ芯)
製造方法・材の性質:合板(薄い板を上下に何層も重ね合わせたもの)※積層部分をファルカタと呼ばれる材料で埋めたものになります。
色味:赤っぽい・白っぽい
表面の質感:さらっとしている・節がなく均一
メリット:表面が綺麗・塗装しやすい・(通常のラワン合板と比べて)安価である
設計時の注意点:
①強度が高くないため、荷重が強くかかる部分や強度が必要になる部分には使わないことを推奨
②繊細な形状は欠けや剥がれがやや出やすい。
③赤みが強いものや黄色みが強いものなど、製造時のロットが違うと色のばらつきがおおきい(通常ロットは極力そろえた形で加工します)
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無垢ボード(スギ)
製造方法・材の性質:幅はぎ材(無垢板を横方向につなぎ合わせたもの)
色味:濃い茶色
表面の質感:さらっとしている・板の継ぎ目が見える
メリット:無垢板のように見え、木材らしさがでやすい・接着材の使用部分が少なく人体にも優しい
設計時の注意点:
①節部分が欠ける可能性がある(参考画像3)
②板の継ぎ目で欠けや割れが起きやすいので、繊細な形状や部材の配置方向に注意(参考画像4,5)
参考画像:
参考画像3:死節の欠け
参考画像4:材の継ぎ目での欠け
参考画像5:繊維方向が縦向きに対し部材が横に長く、残った部分(赤)が割れやすい
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無垢ボード(ヒノキ)
製造方法・材の性質:幅はぎ材(無垢板を横方向につなぎ合わせたもの)
色味:やや白い
表面の質感:さらっとしている・板の継ぎ目が見える
メリット:無垢板のように見え、木材らしさがでやすい・接着材の使用部分が少なく人体にも優しい
設計時の注意点:
①節部分が欠ける可能性がある(参考画像3)
②板の継ぎ目で欠けや割れが起きやすいので、繊細な形状や部材の配置方向に注意(参考画像4,5)
参考画像:
参考画像3:死節の欠け
参考画像4:材の継ぎ目での欠け
参考画像5:繊維方向が縦向きに対し部材が横に長く、残った部分(赤)が割れやすい
-------------------------------------------------------------
ラジアタパイン集成材
製造方法・材の性質:集成材(無垢板を縦・横方向につなぎ合わせたもの)
色味:やや白い
表面の質感:さらっとしている・板の継ぎ目が見える
メリット:表面が綺麗で木材らしさがでやすい
設計時の注意点:
①板の継ぎ目で欠けや割れが起きやすいので、繊細な形状や部材の配置方向に注意(参考画像4)
参考画像4:材の継ぎ目での欠け
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スギCLT
製造方法・材の性質:CLT(ひき板を交互に並べ強度が高く、表面は無垢材の仕上がりのように見える)
色味:濃い茶色
表面の質感:さらっとしている・板の継ぎ目が見える
メリット:無垢板のように見え、木材らしさがでやすい・頑丈・小口の積層が独特で化粧としても利用される
設計時の注意点:
①板の継ぎ目で欠けや割れが起きやすいので、繊細な形状や部材の配置方向に注意
②特に尖った先端部分で中間積層部分の欠けが生じやすいため注意(参考画像6)
参考画像:
参考画像6
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MDF
※画像は準備中
製造方法・材の性質:ファイバーボード(木材を繊維化して成型した材料の総称)の一種
色味:やや黄色い(段ボールなどに近い)
表面の質感:表と裏はコーティングされており、すべすべしている(側面はやや毛羽立ちやすい)
メリット:比較的安価・複雑な形状や繊細な形状でも、切削時に割れや欠けが起きにくい
設計時の注意点:
①釘やビスが効きにくい(専用の釘・ビスを使う、ボンドなどと併用するのがベター)
②塗装をする場合は手間がかかるので不向き(塗装しなくてもある程度表面は美しい)
③水に弱く、変形することがある
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その他の材料についての注意

材料の表裏について

ラワン合板・CLTについては材料の表裏があります。もし指定がある場合は、加工依頼時の備考欄やその後のメールのやりとりでご指定下さい(CLTは両面化粧もご用意できます)。
CLT(表)
CLT(裏)

合板の積層について

現状の合板の規格では、積層する枚数や芯材の原料は厳密に決まっていません。 同じ規格のものでも、 積層数が5枚のものと7枚のものがあったり、あるいは芯材の色味が変わるなどが起こりえます。(以下3つの画像は同じシナ合板です。)‌なるべくロットをそろえる形で同一加工内では積層数や色味を揃えるようにしますが、必ずしも保証はできませんので、あらかじめご了承ください。
※画像は株式会社アサヒより拝借

合板のポケット加工について

合板のポケット加工の場合、積層がコントロールできないため綺麗にならない場合があります。

切り残し(タブ)について

CNCルーターで切り抜き加工をする際の特徴として、板から部材を完全に切り取ってしまうのではなく、一部に切り残しを付けます。この切り残しをタブと呼びます。EMARFでは山型のタブを使用しています。
EMARFでは、輪郭(切り抜き)加工に対して自動でタブを配置します。(図面で作図する必要はありません)

タブの作成ルールについて

①25mm以上の辺にはつけます。この時、原則250mmに1つで長い辺には長さ/250の数つけます。
②曲線だけの場合や凸凹が多い場合、入角から次の入角までの距離を測って、25mm以上あればタブをつけます
③タブを間引きます。タブとタブ同士が近ければ間引くような形です。この時の距離は、タブが木目に水平であるほど短くなります。(平行だと割れやすいため何個つけてもよいとの話だったので)
④タブが3個以下にならない程度で間引くのを止めます
‌また、納品は、このタブを切り離した状態(板付の状態)でのお渡しとなります。(オプションでタブ切りなしで対応可能)
なお、板の厚みによってタブのサイズが異なります。
板厚(mm)
幅(mm)
高さ(mm)
20未満
12
8
30未満
15
10
30以上
30
10
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