木材同士の接合では、板厚の誤差や摩擦が生じるため、寸法の遊び(わずかに動ける余裕や隙間のこと)を考える必要があります。そのため、加工図面では接合部分(ホゾなど)の寸法を設計図面より大きくとる必要があります。この遊びをEMARFでは**『オフセット』と呼び、『オフセットをとるまたはかける』**と表現したりします。

ピッタリの寸法でははまらない

オフセットは大きすぎず、小さすぎずの数値にする必要があります。大きすぎるとゆるくなってしまい、小さすぎると嵌め合わせることが出来なくなってしまうためです。そのため、きつすぎず、ゆるすぎない最適なオフセット値を設定する必要があります。

例:オス材(穴に入れる側)が24mm×50mmの突起に対して、

メス材(穴側)は24.4mm~25mm×50.4mm~51mmの大きさで設計

オフセット参考値 接合具合 あると便利なもの 使うシーン
0.2mm きつめ ・紙やすり
・クランプ 接合部の強度が必要な箇所や、椅子などの人の荷重がかかる箇所など
0.3mm
0.4mm ぴったり ・ゴムハンマー 解体しやすい接合具合
0.5mm ゆるめ ・ゴムハンマー
・ボンド
・ビス ボンドでの接着を前提としている家具、またはワークショップなどで実演しながら組み立て、解体する必要があるもの

オフセット_1.jpg

標準的なオフセット値は0.1~0.5mmになりますが、施工条件や加工する材種など与条件により最適な値は変わります。最適なオフセット値についてはご相談ください。 なお、モデリングソフトで事前に処理しておく必要があります。オフセットをかけていないと絶対に嵌りません。Rhinocerosのプラグインではオフセットに関するコマンドも用意してあります。